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免疫工学(1)

 

★ハイブリドーマ法とモノクローナル抗体

(1)ハイブリドーマ法によるマウスのモノクローナル抗体の作成の原理と手順を述べなさい。

原理は一個のB細胞クローンを増殖させ,均一な抗体を大量に得るというものである。しかし,B細胞には寿命がある。そこで,免疫したマウスのB細胞のおのおのを,不死であるBリンパ球由来の腫瘍細胞と融合させ,できた雑種細胞の混合物の中から,特定の抗体の産生能力と培養下で無限に増殖する能力とを併せ持った雑種細胞を選び出すのである。
マウスを抗原Xで免疫し,B細胞を取り出す。その中には抗原Xに対する抗体(抗X抗体)を産生するB細胞も含まれている。それらの細胞と,普通の培地中では無限に増殖するが選択培地中では死ぬようなB細胞の腫瘍由来の変異株とを融合する。
次に,混合物を複数の培養皿に分け,選択培地に浸すとハイブリドーマ(融合細胞)だけが増殖し,あとは死滅する。
培養上清に抗X抗体が存在している培養皿の細胞を多数の皿に分ける。このとき一つの皿に細胞が一個しか入らないように希釈すればクローンが得られる。
最後に細胞を増殖させて上清中の抗X抗体の存在を調べる。


(2)モノクローナル抗体の優れた点をポリクローナル抗体と比較して述べなさい。 
モノクローナル抗体の一番の特徴は,一種類の抗原部位のみを識別するということである。これに対してポリクローナル抗体は様々な抗原結合部位を識別する。
例えば,様々な抗原が入り混じった中に少量しか含まれていない抗原A分子に対する抗体が欲しいときポリクローナル抗体だと全体の中のごく一部にすぎないために使いものにならない。しかし,ハイブリドーマ法により作成した抗A抗体だとどんなに他の抗原があろうとも抗原Aだけと結合することができるので特定の抗原だけを識別したいときは便利である。
  その他の利点として,抗体がいったん作られると,抗原タンパク質の位置を突き止めたり,そのタンパク質を精製して構造と機能の研究に供するプローブとしてずっと使うことができる。

★免疫トレランス,補体

(1)胸腺における自己と非自己の教育の仕組みについて述べなさい。

免疫系の基本は,自己と非自己を区別し,通常は自己分子に対して反応しないことである。これはT細胞の分化過程で獲得される。多くのB細胞は抗原応答にヘルパーT細胞を必要とするので,自己反応するヘルパーT細胞の排除は自己反応B細胞による危険性も抑えるからである。
胸腺は,自己MHC分子を認識するT細胞を選択すると同時に,自己MHC分子と自己ペプチドの複合体を認識するT細胞を選択してはならない。
T細胞はCD4CD8のダブルポジティブ細胞として発達する。次に皮質上皮でMHCクラスと相互作用した細胞はCD4CD8となり,MHCクラスと相互作用した細胞はCD4CD8となるようにpositive selectionを受ける。この選択を受けなっかた細胞はプログラム死する。
次に,それぞれ生き残った細胞の中で樹状細胞,マクロファージや髄質上皮で自己MHC+自己ペプチドの複合体を認識するものがnegative serectionを受けて細胞死し,これに生き残った細胞だけが成熟する。


(2)アネルギーの免疫的意義について述べなさい。

  胸腺における自己反応T細胞の排除は完全ではなく,一部は胸腺から移動したあとで排除され,残りはclonal anergyという過程によって不活性化される。
T細胞の活性化には2種類のシグナルが必要であるが,抗原提示細胞以外の細胞で提示された抗原の認識(Anergy)や別のT細胞で提示された抗原の認識(Vitto)では第2のシグナルが伝達されずそのT細胞は不活性化される。


(3)補体の働きについて述べなさい。また,その反応の特徴を述べなさい。

補体系は,基本的に炎症のコントロールに働く。補体の各成分は互いに他の成分と反応しあい,さらにまた免疫系の他の構成要素と相互作用する。
補体が活性化することによって次のような生理学的現象が起きる。
・マクロファージおよび好中球の貪食反応促進  → その反応に際して食細胞を局所に呼び寄せる=細胞遊走化,ケモタキシス
・標的細胞の溶解  → 種々の細菌表面に結合し溶菌を起こす。
・貪食亢進作用 → 補体レセプターを保有する細胞に微生物や抗原抗体複合体に補体が沈着して吸着貪食されやすくさせる作用=オプソニン作用

  補体系の反応経路は2種類ある。
古典的経路では,抗原抗体反応複合物などの抗体分子のFc部分にC1が結合することにより,補体反応が活性化される特異的な反応。病原微生物に結合した抗体によって活性化される。
第二経路(代替経路)は,標的細胞の膜上において,C3転換酵素によりC3が分解され,これによって誘導される補体活性化経路。非特異的な反応。結果として,微生物は補体分子群によってコートされ,他の食細胞によって取り込まれる。
  どちらの反応も一つの成分が次々に他の成分に働く連鎖反応である。


★細胞性免疫

(1)細胞性免疫と体液性免疫について述べなさい。また,T細胞とマクロファージの細胞性免疫における役割について述べなさい。

体液性免疫とは,リゾチーム,補体,そして抗体などの可溶性因子による免疫のことである。例としては,リゾチームや補体による細菌の細胞壁の溶解,活性化した補体によって食細胞を炎症部位に遊走させたり(ケモタキシス活性),抗体と補体の相互作用によって微生物を貪食させるように働くオプソニン作用などがある。
  細胞性免疫は,細胞内に寄生するような生物に対する局所反応で,抗体によってではなくリンパ球や貪食細胞によって惹起される反応のことをいう。しかし,一般的な意味では抗体が従属的な役割を果たしている反応も含めて用いる。

ヘルパーT細胞の役割
・どの抗原のどのエピトープを認識するかを決定する。
・特定の標的抗原に向けられたエフェクター機構の選択。
・適当なエフェクター細胞の増殖の補助。
・食細胞や他のエフェクター細胞の機能を高める。

  マクロファージは,T,B細胞関与の免疫が作用する前に感染に対する最初の応答において役割を果たす。次に,抗原の処理,提示細胞として機能し,最後に,T細胞が抗原に反応して放出したリンホカインによって活性化される。活性化したマクロファージは様々なエフェクター機能を持っている。例えば,サイトカインの放出,抗腫瘍機能,好微生物機能などである。


(2)T細胞による標的細胞の傷害の機構について述べなさい。

抗原提示細胞が抗原を処理し,それをヘルパーT細胞に提示する。ヘルパーT細胞はB細胞を補助して抗体を産生させたり,細胞障害性T細胞,NK細胞,マクロファージ,顆粒球などの様々なエフェクター細胞の作用を調節している。ヘルパーT細胞の作用の多くはリンホカインによって媒介されている。また,マクロファージなどから遊離されるサイトカインも重要な役割を果たしている。ヘルパーT細胞やB細胞の機能はともにサプレッサーT細胞によって調節されている。


(3)サイトカインネットワークについて述べなさい。

サイトカインは,ホルモンと類似のペプチドあるいは糖ペプチドであり,細胞間の直接の接触の結果生ずる他の信号と平行して働き,免疫応答のあらゆる機能に関与する情報伝達網(サイトカインネットワーク)を準備している。
サイトカインは単独では作用せず,幾つかのサイトカインと共同作用したり,他のサイトカインのためのレセプターを誘導したり,拮抗作用を示したりする。 免疫系では,他の器官との情報伝達は大部分サイトカインによって媒介されている。 



★免疫応答の調節

(1)免疫応答の制御機構について要約して述べなさい。

  免疫応答には特異的な制御を強く受ける生理的要請があり,応答の大きさや応答反応を支配する要素は様々な形でコントロールされている。
免疫応答の最も重要な調節因子は抗原そのものであり,自分自身に対する応答を誘導したり,トレランスを誘導する。もちろんこれ以外にも多くの調節機構が存在する。


(2)トランスジェニックマウスの作製法と,その免疫学的研究における有用性について述べなさい。

まず,マウスを交配した後卵管を洗浄して受精卵を得る。そして,雌性または雄性のどちらか一方の前核に外来DNAを注入する。注入を受けた受精卵は,去勢された雄マウスと交尾した偽妊娠マウス(仮親)に移植する。誕生した子マウスがトランスジェニックマウスである。これを確かめるために,尾の一部より分離したDNAを用いたサザンプロット法により検索すればよい。さらに,生殖細胞にもきちんとトランスジーンが取り込まれているかどうか調べるために正常なマウスと交配し,産まれた子マウスにトランスジーンが伝達されるかどうかを調べた方がよい。

  トランスジェニックマウスは,たとえば,T細胞の分化過程を追求するためなどに使われる。
再編成されたT細胞受容体の導入遺伝子が発現すると対立遺伝子排除が起こり,元からあるT細胞受容体遺伝子の再編成を阻害する。したがって,このトランスジェニックマウスのT細胞の大半は導入遺伝子由来の受容体だけを発現する。その結果,トランスジェニックT細胞受容体が認識するMHC分子と同じ遺伝子型のMHC分子が発現されている場合にのみ,トランスジェニックT細胞の成熟と抹消リンパ組織への移動が起こり,発現していない場合は,胸腺内で死ぬということがわかった。  つまり,T細胞受容体と胸腺内で発現するMHC分子が適合する場合にのみ,T細胞が生存し成熟することがわかった。つまり,Positive selectionを受けているのである。
トランスジェニックマウスにより目標としている遺伝子を導入したり,あるいは,マウス中の遺伝子に外来遺伝子を組み込むことでその遺伝子を失活させたりするなど遺伝子のターゲッティング(gene targetting)ができる。

 

 

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